電気屋奮闘記

「ヒィエ~」でした。(+o+)

この秋に取り組んだ現場の備忘録として
題して「思い込みや、先入観で仕事をしたら、ヒィエ~だよ!」の巻(笑)

20年以上前に設置された遠心送風機の取替工事です。
チャンバールーム・ダクトの補修は建築が請負い、送風機の取替及び電気・計装関係が弊社。

検討事項としては現場が海の上、もちろん鉄骨の上にグレーチングを轢いた橋はありますが、搬入搬出計画が緻密に必要かと。

でも、今あるものの取替なので、たいしたことないだろうと思っていたのですが、搬入搬出ルート上にいろいろ障害物がありルート確保が出来ない、でもって護岸から100トンクレーンでは、とどくかもと検討してみるが無理、トホホ(+o+)

もう、人力でやるしかないか、人力と言ってもハンドリフト・各サイズのコロ・チェーンブロック・等々使っての計画をあれやこれやと考えている最中に、送風機のメーカー営業マンが驚くべき一言を
「久保さん、そういえば電気特性、既存のものより上がりますけど大丈夫ですよね~」
私「?・?・?あの~もう一度」
営業マン「モーター出力、既設は15KWですが、新設のものは18.5KWですよ」
私「ポカ~ン」(笑)

送風量を既設のものに合わせて提案せよとメーカーに言って機種選定、仕様書も貰ってありますが、まさか20年以上前の送風機の取替、能力が一緒であれば電気特性は一緒、もしくは下がるものと・・・搬入搬出計画しか頭になく仕様書をもらっても、外形図ばかりとにらめっこ、電気特性表など見もしませんでした。((+_+))

このことに気付いた時の感覚、電気屋さんなら皆さん一度や二度は経験あるかと思いますが、血の気が引き背中に嫌な汗をかき、まさに「ヒィエ~」と叫び声が(笑)

ここから、寝ずに計算となるわけですが、既設は3相440V出力15KW、CV22sq3心
MCC盤開閉器50A・電磁接触器440V15KW32A仕様サーマルは30Aまでです。
新設送風機は3相440V出力18.5KWです。
計算の主眼は既設CV22SQを変更することなく使用可能か?です。
なにせ、MCC盤から送風機までのケーブル埋設距離が280m、280mですよ28mではないですよ(+o+)
28m位であれば、38SQにすぐ引き換えるのですが、280mともなると不可能とは言わないが施工的にも経費的にも困難であることは確かなので、祈るような気持ちで計算を(^O^)

3相440V電圧降下は7%以内・負荷18.5KW運転電流31A突入電流は通常6倍程度なので180Aか・こう長280m・モーターの効率は?・力率は?・需要率は?等々「ヒィエ~」と叫びながら(笑)調べては計算・計算、Excelにぶち込んで検証・検証。

よく朝一番で発注会社、設備担当者のもとに計算書とMCC盤の変更工事届を提出、認可いただきホット一安心!(^^)!

計算検証結果は、MCC盤低圧遮断器を75A AXal付に変更し,電磁接触器は48A(22KW)対応の物に変更、サーマルリレーは40Aまで調整可で飽和リアクトル付に変更で既設ケーブルCV22SQが使用可という私なりの計算検証結果です。

思い込みと先入観で仕事をしてしまい、まさに「ヒィエ~」でした。(+o+)

しかし、同じ風量を確保するのに20年以上前の物よりモーター出力が上がるとは、どんな理屈なんだろう?送風機メーカーさんお願いしますよ~(+_+)

現場に関しては私の、思い込み先入観での見落としというか、見もしなかった(泣)事が一番悪いのですが(+_+)

この件以外は、想定内の事でスムーズに進み、引き渡し完了しています。

 

厚鋼電線管G36の曲げ、サポートアングルのアーク溶接、送風機の撤去搬出・搬入設置、試運転調整等、面白い事?大変なこと?が沢山あり有意義な現場でありました。(^O^)