NHKがやっている『総合診療医ドクターG』が好きである(笑)
状況・症例から病名を探り当てる謎解きが、われわれの仕事にも当てはまり面白く見ております。
最近有った、まだまだドクターG(ジェネラル)には成れず、研修医として研鑚を積まねばと思った修理事例を一つ。
レストラン個室に設置されているD社製4方向天カセ5.6Kw冷媒はR22エラーが出て動作しないとのコールで訪問。
リモコンでエラーE0(保護装置作動)を確認後、電源リセットし冷房20度設定でONすぐにE0が出るわけではなく、室内機は順調に動作。圧縮機の温度が下がっているのかな~、などど思いながら室外機がある屋上へ。
室外機をチェック。室外ファンもコンプも順調に動作し、ファンからは熱風が出ています。
とりあえず前板を開けコンプ周りの配管をチェック、霜付も異常音もなし。
ムッムッ?E0の原因は何かな?
一つ一つ計測していくしかないかっと思っていた矢先、急にファンがHighからLow運転に???「これか!!! E0の原因は!」
(何度かテストをするが、起動後3~4分で決まってこの症状が出ます。)
症状と手がかりを発見。
とりあえず、ファンモーターのHigh/Lowの切り替えは室内吸込みサーミスタ及び室外外気温サーミスタの抵抗値で決まるのでチェック。
D社製なので室内ワイヤードリモコンをサービスモード41にし、01を表示させチェック。30表示問題なし、続いて室外機に回り、基板より外気温サーミスタを外し抵抗値を測定(もちろんこの時は基板上にはエラーが出ます)12.8KΩ問題なし、ということは基板不良で間違いないかな~などと思いながらも、念のため、基板上のファンモーターのコネクターを外し電圧測定、Com/Low間200V、まぁ~Low運転してるからそうやわね~、続いてCom/High間40V???なに~この電圧、ここは0Vでないとダメでしょ~ということで、基板不良は間違いなしか。
ということで部品を発注し2日後(ここは沖縄、天下のD社といえども部品入荷に2日かかります)に再度修理に訪れるわけですが、ここまでに重大なミスを犯しているのですが、さてなんでしょか?
よくある、目先の症状を近視眼的に追いかけてしまい、全体が見えない、もしくは基本を忘れるということを、してしまいがちです。
いままで、何度も痛い目にあっているのにまたもや、やっちゃいました。(+o+)
2日後修理にお伺いし、室外基板を交換後、試運転。
室外ファンもLow運転になることもなく、順調に動作しております。
よっしゃーこれで修理完了かな~
順調?順調?順調?・・・~え~液管霜付してるやん~嘘やろ~ガビ~ン
2日前には霜付なんぞしてなかったぞ~
そうなんです、なんとま~この時初めてゲージをかけ圧力測定をするというお粗末さ(泣)高圧1.5Mp低圧0.3Mp キャピ詰りでなくガスリークで間違いなし。トホホ(+_+)
前回の診断時には室外熱交の熱風を体感で確認と、リモコンで室内熱交温度の確認のみでした。ちなみに02は5°表示でした。
室外外装をバラし、リーク場所を探します。
すぐに発見、いつもの場所Uベント
はぁ~
速攻で事務所に戻り、ガス回収機と溶接機・窒素・R22等々を取って再び修理に行くのですが、ここから先は処置なので割愛しますが、まぁ~空調に携わる人はガス回収や溶接なんて基本中の基本なので。(笑)
一番大変だったのは、この日は基板交換だけの予定でしたので一人で動いていて、回収機・溶接機等を屋上まで運ぶのが辛かった(笑)
なので、溶接作業の写真は撮れませんでした。(笑)
R22の機種、経年劣化から機械的な信用度なし、何があってもおかしくないという前提で検査診断しないといけないという良い事例?悪い事例?(笑)
振り返ると、E0の原因は基板不良による室外ファンモーターLow運転で間違いないと思いますが、ガス圧チェック・外装をバラしてのチェックも必要だったですね。
屋上での作業、暑くてついつい手を抜いてしまいました。
いつからガスリークしていたか、なんてことはわかりませんが、全体をよく見る。基本ですね(笑)
ドクターG目指して研鑚の日々です。(笑)
その日で、修理は無事完了。
レストランには迷惑かけることなく完了出来て何よりでした。(笑)