電気屋奮闘記

たまには下請け工事も良いかも

たまには下請け工事も良いかも

今回の工事現場の住所である”国頭村宇嘉”の取水ポンプ場は、沖縄本島最北端の辺戸岬まで11Kmの地点となります。弊社からでも高速道路を使っても1時間半は、かかる距離となります。

そんな沖縄本島最北端の現場で取水ポンプ場電気計装設備工事を行いました。

今回の工事小話

タイトルに「たまには下請け工事も良いかも」と書きましたが、基本は会社として下請け工事を請けない方針です。

今回、下請けを引き受けたのは、場所や工事内容に惹かれたのもありますし、縁を感じた部分もあり、何より「私の気分転換という、わがままで半分」で受けました(笑)

というのも、普段は社長業と現場管理ばかり・・・現場の職人として施工することは無く寂しい日々(笑)

私も現場に参加するため、元請に「労災は特別加入しているので私も現場で施工しても良いか?」と聞いたところ、OK!との事だったので工事を請けたという顛末です。

やっぱり、現場で一人の職人として施工するのは良いですね!

余計なことは考えず、プロの施工をする! 楽しい!

年に1~2回は私のわがままを叶えようかな~という思いを強くした現場でした。


工事名:宇嘉取水ポンプ場電気計装設備工事
工期:2019年8月28日~2020年2月27日
工事職種:空調工事
工事概要:既設空調機2台撤去、新設3台

2019年 8月28日    冷媒ガス回収、空調機撤去
9月 2日~ 4日 室外機架台設置、冷媒配管サポート取り付け
9月12日~13日 室内機取付、冷媒配管施工、ドレン排水工事
12月 9日~10日 気密テスト、冷媒配管ラッキング工事
2020年 2月18日     真空引き、ドレン配管端末処理、試運転
2月27日     完成検査

①準備工

公共工事なので、現場に入る前に各種書類提出があります。

その中の一つに、資材承認があるのですが今回一つの資材が承認が下りず再提出となりました。

何かといいますと、ドレン排水用逆止弁です。

当初図面ではドレン排水管の端末処理は目皿だったのですが、元請より逆止弁にしてほしいと要望がありました。

因幡電工製NDB-20-25で承認図を出したのですが、耐候性でないという事で監理に却下されました。

監理はちゃんと見ているんだな~と感心しながら、耐候性の逆止弁で承認図を再提出し承認されました。

*写真1

当初提出した資材は、沖縄でも普通に使われているのですが、数年すると変色し、少しの衝撃で割れるようになります。(*写真1のように)

ぶつけなければ、変色しても逆止弁の用はなしているのですが・・・

カタログにも注意書きに小さい文字で「屋外で使用する場合、紫外線(直射日光)が当たらないようにしてください。」とあります。

この辺を監理の方は見逃さないですね~

再提出した逆止弁は丸一株式会社さんのドレン排水用ウォレス耐候性YWLD20-25-30Tという商品です。

値段もそれなりにするのですが、良い商品で、最近はこればかり使っています。

②8月28日
 冷媒ガス回収、空調機撤去

設備の撤去解体が始まる時に、弊社も乗込み、まずは既設空調機の冷媒ガス回収から始め、室内機撤去・配管切り離しました。

室外機は周りの鋼材を撤去するときに一緒に重量屋さんに撤去してもらうことになり、初日は半日で終了。

③9月2日-4日
 室外機架台設置、冷媒配管サポート取り付け

工程の絡みで内部工事が出来ないので、屋外の配管サポート・室外機架台の墨を出し固定作業を行います。

図面どおり墨を出し、物を当て確認しながら作業を進めます。

新規取付けのコア抜きもφ110で開けておきます。

今回は泊まり込みでの作業で、お世話になったのは「民宿やんばるくいな荘」

ここは、主に私たちのような工事作業員が宿泊しています。

2泊お世話になり、ありがとうございました。

④9月12日-13日
 室内機取付、冷媒配管施工、ドレン排水工事

室内作業OKとの事で、室内機の取付、配管工事を進めていきます。

床下がピットになっており、床板が外されているところと、有るところがまばらで脚立を立てるのが大変で9尺の脚立に継脚を付け水平を確保しながらの室内機取付けとなりました。

4馬力天吊3台、持ち上げるのはアッパーで行います。

冷媒配管は5分が20mm保温3分は8mm保温です。

メンテナンスを考えた場所での配管溶接と正確な曲げ加工がポイント。

床下ピット内ドレン排水横引きはレベルバンドで勾配1/50以上で。

次工程は配管のラッキングですが、他工種作業でラッキングを凹まされたら大変なので、次回現場乗込みは12月となります。

⑤12月9日~10日
 気密テスト、冷媒配管ラッキング工事

冷媒配管の窒素による気密テストと配管のラッキング作業を同時進行していきます。

気密テストは日付がある時計を置いて写真を撮ります。

24時間放置後、確認の写真を撮ります。

ラッキングは、いつもお世話になる

(株)南星さんの職人さん3名来てもらい、仕上げてもらいます。

公共ではSUSのラッキングが多いのですが、今回はガルバリウム鋼板製のラッキング指定です。

ラッキングは1日で完了

気密テスト完了後、窒素はそのまま残して室外機は閉じます。

次工程は、真空引き・試運転となりますが、動力電源の送電が2月になるとの事で、次回は2月

それまで窒素3Mpaを配管にはかけた状態で置いておきます。

⑥2月18日
 真空引き、ドレン配管端末処理、試運転

冷媒配管の窒素残圧を確認後に放出し、真空引き作業を行います。

中型PAC用真空ポンプで3分のホースを使い真空をかけていきます。

念のため、スマホの時計で時間計測も行います。

真空引き後、電圧チェック・検相チェックを行い試運転

各種データー計測を行い報告書にまとめます。

リモコンは初期設定を行い、停電時自動復帰も設定しておきます。

ドレン排水管端末に逆止弁を取付。

室内機に水をいれ排水確認までして工事完了となりました。

⑦2月27日
 工事完了検査

完了検査が終了するまで、現地で待機を行います。車内で出来る仕事を持ち込み、調べ物やPC作業をしながら、ひたすら待機しました。

お昼は現場隣の「まるひら食堂」さんで、まるひらそばを美味しく頂きました。

何かあれば呼ばれるのですが、今回は何事もなく15時半に終了で解散となりました。

本島最北端の地、辺戸岬までドライブ!

無事工事完了した事だし、天気も良かったので久しぶりに本島最北端の地、辺戸岬までドライブ!

こういう機会でもないと、なかなか辺戸岬までは来る機会もないので気分よくドライブして観光客気分で楽しみました。